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尾﨑眼科だより

日時計91号(令和7年10月1日発行)

『ドゥダメルさんと音楽教育』

尾﨑眼科理事長 尾崎峯生

秋冷の候、皆様ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。
 ドイツベルリン・フィルハーモニーオーケストラのヴァルトビューネ(森の舞台)野外コンサートの引っ越し公演が、7月初旬の週末、富士山の麓、山梨県河口湖ステラシアターで開催されました。毎年NHKでベルリンの本場のヴァルトビューネが放送されるので、例えば中国の天才ピアニスト、ラン・ランさんが出たときなども素晴らしくて、大変うらやましく思っておりました。ところが、なんと初の海外開催が日本で行われると聞いて、運よくチケットを手に入れることができました。このコンサートは、ベルリン市郊外の野外音楽堂ヴァルトビューネで6月に行われます。今回は、特に私の大好きな世界的指揮者、グスターボ・ドゥダメルさんの指揮と聞いて楽しみにしていました。
 当日宮崎空港から早朝出発。西新宿から出発するツアーバスに乗って河口湖へ向かいました。会場のステラシアターは、古代ローマの円形劇場のようにすり鉢状の素晴らしい建築です。3000人で満席となったステージには、ベルリン・フィルの日本が誇るコンサートマスター、樫本大進さんを始め、フルートのエマニュエル・パユさんなど超一流のメンバーが来日していました。前半はドゥダメルさんが若い頃、ボリビアのシモン・ボリバル・ユース・オーケストラを率いて行った世界ツアーで大人気となった、メキシコの作曲家、マルケスの「ダンソン2番」など、ラテンの複雑なリズムにも、ベルリン・フィルは一糸乱れぬアンサンブルで、力強い音楽を奏でました。野外のコンサートらしく、静かな場面では、小鳥のさえずりや虫の音が聞こえ、特に小鳥は旋律に合わせてさえずっているように聞こえて、とても素敵でした。
 グスターボ・ドゥダメルさんは1981年生まれ。ベネズエラ出身の世界的指揮者。貧しい子供にもバイオリンなどを貸与して、音楽の裾野を広げる青少年音楽教育プロジェクト「エル・システマ」により育成され、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラの音楽監督として、若くして国際的な名声を獲得しました。その後、ロサンゼルス・フィルハーモニックやパリ・オペラ座音楽監督を務め、情熱的かつ人間味あふれる音楽づくりで世界中の聴衆を魅了しています。
 先日、日本の指揮者山田和樹さんが指揮する日本の「未来オーケストラ」の音楽をテレビで聴いて、高校生のソリスト達が素晴らしくてびっくりしました。日本から良い音楽家を輩出しているのは、文部科学省があまり関与しない分野での伸びが良いのではないかと、世界的経営コンサルタント大前研一さんも述べています。学校の授業も低学年から集中しつつ、のびのびと勉強させて、優秀な子供(教えやすい良い子ではないことも多い)の中から、音楽やスポーツの世界のように、学問の世界における将来の「天才」を見出して、大学教授クラスが中学、高校から関与して能力を伸ばしてゆくということも必要かもしれません。トーマス・エジソンは少年時代、多動傾向のため学校生活になじめず、教師から「理解しにくい子供」と見なされていました。アップル社のスティーブ・ジョブズもテスラ社のイーロン・マスクも変な子でした。
 最後のアンコールはお約束のリンクの「ベルリンの嵐」になり、日が暮れてゆく中、聴衆もスマホライトをつけて手拍子で参加するという大変な盛り上がりとなり、感動のコンサートが締めくくられました。

  1. 日時計91号(令和7年10月1日発行)
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